連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第72回
使ってみてひと言
花輪 昭太郎
1
1熊本県立こころの医療センター
pp.909
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903121
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早いもので全面改築して3年がたった.新病院は好評で,案じられたように(?)患者さんは増え続けている.平成11年度の平均在院日数は110.7日に短縮,同年度末の5年以上の在院者は12.1%に減少などからもわかるように,大変忙しい毎日である.
前病院は,昭和50年の建築であり,比較的早い建て替えであるが,年数に比して老朽化や機能性の拙さが目立ち,重症者の多いこともあって,入院収容傾向の強い精神科病院であった.医療面では,心ある職員の協力を得て活性化が進んだが,現状の構造では発展が望めないことなどから各界の賛同を得て新築が決まった.したがって,新病院は前病院のイメージを払拭する「地域に溶け込んだイメージ,治療空間の広さ,プライバシーへの配慮,清潔で落ち着きの中に思いやりと心遣いに満ちた医療環境」,すなわち,「精神科らしい病院(河口 豊)」を目標とした.
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