ベッドサイドの看護
化膿性脊椎炎に術後肝炎を併発した患者への援助
深間内 恵子
1
1国立沼田病院2階病棟
pp.1245-1249
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918279
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はじめに
当院は,僻地中核病院の指定を受けて1年余りを経過したが,この地域の患者の特徴として,初期症状は我慢するかあるいは飲酒等で紛らし,日数を経過して重大な症状を自覚するか,あるいは合併症を起こしてから初めて受診する例がある.
ここに,私たちが経験した患者は,肺炎を合併して受診し,更に永年飲酒のためか肝機能障害があった.術後経過が良好で,化膿性脊椎炎が再発せずに機能訓練が順調に進められたとしても,下半身対麻痺は残り,車椅子での社会復帰以外はできないと考えていたが,度々の発熱で再発が心配され,更に術後肝炎を併発し,限界状況になり,黄疸が長期にわたり,次第にモチベーションを失って,このままでは起坐もできなくなるのではないかと心配したが,そのような状態から脱して,見事に自力で歩行し社会復帰した事例を経験したので報告する.
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