特集 看護の場は個を生かしうるか
隙間をつくる余裕を
中山 洋子
1
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究室
pp.1211-1214
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918273
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外来の看護室にて
精神科外来の看護室に立っていると,‘看護婦さん,看護婦さん’と呼ぶ声に,研修という身の私も白衣を着た看護スタッフも何度も振り返る.外来を訪れる人々の姿を追ってみると,受け付けを終えた後に何人かの人々は必ずといっていいほど,看護婦の白衣を目指して看護室にやって来ている.
考えてみれば,私だってそうである.見知らぬ病院で,受け付けは表示を見ながら無事済ますことができても,診察室の前で待ちながら,‘ここで待っていればいいのだろうか’‘果たして自分の名前を呼んでくれるだろうか’と不安になる.そんな時,揺れ動く白衣の看護婦の姿を見るとほっとし,そして,確かめようと思い立つ相手は,白衣を着た看護婦である.
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