特集 人工臓器によって生きる
死に直面して生を意識する—私の透析体験から
椿 一郎
pp.893-898
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918211
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はじめに
私は現在36歳の1透析患者です,昭和47年7月から透析治療を始めましたから,もう間もなく満5年になります.
透析患者としての心境を具体的に述べてほしいという編集部からのご要望なので,自分の心のうちをどれだけ明らかにすることができるかどうかいささか疑問や不安もありますが(実のところ正直言って自分の心の中すべてをさらけ出すことはできないことです),透析を始めてからの自己の精神的・心理的な面の変化について,その一端を述べてみようと思います.透析を始めて間もなくのころ(大体7,8か月目まで)と,現在の時点での自分の精神・心理的態度を比較してお話するのがよいかと思います.
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