学生の研究
看護婦との人間関係が阻害されている患者への援助—看護技術を媒体としての人間関係成立への試み
加賀屋 くみ子
1
1秋田大学医学部付属看護学校
pp.1054-1058
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917994
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はじめに
患者が早期に健康を回復するためには,医療を効果的に受けられるよう援助しなければいけないが,患者と看護婦の人間関係が阻害されていることから,不安・不満を打ち明けられずにいる患者にぶつかることがある.多くの場合,それらは‘くどい’とか‘言うことをきかない’など,手におえない患者として,あるいはきらわれる患者として受けとられているため,なおのこと人間関係は阻害されてくる.
このように患者と看護婦の人間関係が阻害されるのは,言うことをきかない,気難しい,不満が多い,愚痴っぽいなど患者の行為を表面的にとらえ,対話する機会も積極的につくらず次第に疎遠になり,阻害されていく例が多い.大段智亮氏は,‘ひとりで苦しみ悩んで他の人の援助を求めている患者に援助したいと思うなら“助力的関係”を作るための努力をしなさい’1)と言っている.
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