2色ページ 人間発達学入門・4
対人関係の成立と発達
上田 礼子
1
1東京大学医学部保健学科母子保健学教室
pp.1458-1461
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916811
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人間の赤ちゃんが生まれて初めて出会うのは医師・看護婦・助産婦・母親・父親などの人たちであり,その後は家族や親類,近隣社会の人々などとの接触を経験しながら成長していく.赤ちゃんは未熟な状態で生まれるので,これらの大人たちの世話なしにはとうてい生きていくことができないし,世話を受けながら,一方では社会生活をしていくうえでの基本的な生活習慣を身につけ,自分なりの物事の判断の基準,情緒,動機などの個人的な特性をもつようになっていく.
人間発達のこのような側面はパーソナリティの発達と一般にいわれているが,パーソナリティの発達にとって乳幼児期の対人関係のあり方はきわめて重要であることが知られている.
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