統計
死産率・周産期死亡率
西 真楠
1
1厚生省統計調査部
pp.1
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917404
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わが国における死産率の年次推移は第1図のごとく,ここ数年下降をみせている。しかし昨年も17万弱の死産があり,その40%強が人工死産であった。この死産のうち妊娠末期のものと,生後間もなく死亡したものとの間には画然とされていない点もあり,また,生命の中絶を改善するうえではこれらを総合分析する必要がある。そこで周産期死亡という考えが生まれるにいたった。その周産期死亡率の年次推移は第2図のごとく,全体では減率しているのに対して後期死産(妊娠8カ月以降の死産)はあまり減少していない。第3図でみると後期死産では原因不明のものが多く,新生児死亡では先天的原因のものが多い。また第4図のごとくわが国の周産期死亡率は外国にくらべて人工死産を考慮にいれてもなお後期死産の占める割合が大きくまた,周産期死亡率の減率は,日本では,新生児死亡の影響が強いのに,外国では後期死産の影響が強い。これらを考えあわせると,生後間もない死亡のうちの相当数のものが死産にまぎれ込んでいる感じが強い。
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