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腸瘻患者への援助に関する研究を通して考える看護—学生は臨床実習で何を学んだか
pp.1214-1224
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917391
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腸瘻からの滲出液による皮膚の‘びらん’は,しばしば看護上の問題とされ,ドーナツ枕を使用する試みも,看護学会等で報告されている.だが,看護は知っていることをよしとするのではなく,実践することが第1である.
学生が取り組んだ“腸瘻より滲出液の流出している患者への援助”は,研究という視点からみれば,こと新しいものではない.ただ,この患者への看護計画を実施する段階では,幾つかの障害があった.この研究に取り組んだ学生は,腸瘻からの滲出液による‘びらん’の対策が,単に局所的な‘びらん’を防ぐ問題ではなく,その患者の生活行動の範囲を拡大し,生きる喜びにつながるものであることを体験し,看護の本質を実習によって把握することができた.学生の‘気付き’もすばらしいが,臨床指導教師がその気付きを貝体的援助にまで発展させたことにも注目したい.
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