特集 臨床実習に何を学ぶか—看護における判断・行為・表現<第二部>
研究 ‘枠’をはずした患者と看護婦の直接的なかかわりとは—精神科実習で学生は何をどう学んだか
高崎 絹子
1
,
野川 とも江
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.30-44
発行日 1979年1月25日
Published Date 1979/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907298
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はじめに
筆者らは,学生の精神科実習を担当する機会を持ったが,実習の期間中に,学生に受け持たれた患者の状態が好転する場合がかなり多いことに気がついた.このことは病院の医師や看護者からも指摘され,以前の経験からもそのような状況があるという話を聞いていたが,精神科に関しては知識も経験も未熟な学生のわずかな接触が,なぜそのような結果をもたらすのかという素朴な疑問を持ったのである.
そして,そのような素朴な疑問を追求していくことは,単なる知識や経験の積み重ねでは得ることのできない,人間と人間のかかわりの本質となるもの,また学生にとっては人間理解の基木となるものを見い出すことにつながらないかということに思い至った.
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