助力論—現代カウンセリングから学ぶ・11
人間関係の領域で新しい世界がひらける
大段 智亮
1
1看護人間学教室
pp.1233-1239
発行日 1974年12月1日
Published Date 1974/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917150
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‘援助的関係’についての確信
かくて,私が‘援助的(helpful)だ’と確かめた人間関係は,援助者の側において,一種の‘透明性(transparency)’つまりそこにおける私自身の心の動きがハッキリしている,といったような特色をもっている.それから,相手の人を,その人自身の権利において価値をもった独立自存の人格として‘受容する’といった特色もある.さらに,援助者のほうが,相手の人の私的な世界を,その人の眼を通して眺めることができるといった,ある深い‘感情移入的理解(a deep empathic understanding)’といった特色も存在する.
こうした条件がつくりだされたとき,私は援助者としてわがクライエントの友となり,クライエントの自己探究のたいへんな企てに,同行の伴侶となりうるのである.
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