人間関係・12
病院のなかの人間関係(4)
大段 智亮
1
1看護人間学教室
pp.178-183
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922622
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護婦と医師
敗戦日本がアメリカに占領されたおかげで,アメリカ的な考え方が,あらゆる面で流入した.現在の医療や看護の状況は,アメリカからのまことに多くのものを受けてでき上がってきたのである.とりわけ,戦前はまったく医師の下働きとして職業的独立性がほとんど認められていなかった看護が,専門家として独立するに至るこの30年の動きは,アメリカ看護界からのまことに強い影響のもとにあった.事実,アメリカからきた何人かの優れた指導者が,日本各地に滞在して,強力な指導力を発揮した例を聞くのである.
そこで,アメリカ流のナーシングの概念が日本に持ちこまれた、持ちこまれたといっても,なかなか身には付かないし,その上,日本的医師集団の根強い反撃をかってきている.だから,なかなか根づかないのも当然といえるのである.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.