グラフ 看護界ニュース
日本公衆衛生学会総会(第33回),他
pp.1132-1135
発行日 1974年12月1日
Published Date 1974/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917132
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第33回日本公衆衛生学会総会(会長 辻義人・福島県立医科大学教授)は 3日間の日程で16日9時半より福島の県文化センター 市民福祉会館に全国から約2300人が参加して開かれた.同学会は6つの会場に分かれ 特別講演 シンポジウム 一般講演が行われたが 衛生行政の問題をはじめとして熱のこもった討議が繰り広げられた.
初日の第6会場で行われた公衆衛生看護に関する発表では ねたきり老人を中心とした在宅患者への訪問看護の事例が紹介された.東京白十字病院の報告では 訪問看護の中でねたきり老人の‘死’を体験してみて 老人ホーム 専門病院などの施設に入れることは最良策とはいえず施設の増設と合せて 訪問看護制度を定着させる必要のあることが述べられた.大阪の同和地区における保健所活動の発表でも 医療と福祉の谷間にあるねたきり老人のケアについて 同じ看護職である保健婦と病院の看護婦とが相互の立場から 一貫した継続看護を実現できるよう努力することが‘地域総合看護’の今後の大きな課題であるとの指摘があった.さらにねたきり老人のリハビリテーション効果についての発表では 老人の社会復帰が本当に可能かそしてそれは具体的に何を指すのかまた実際に何割が復帰したのかという鋭い質問が出された.
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