人間関係・1
序論—人間関係への関心
大段 智亮
1
1看護人間学教室
pp.288-291
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922579
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患者が看護婦をカンゴする
最近‘人間関係’というテーマで話をしてほしいという申し出が多い.10年まえ私が看護人間学教室を開いた最初のころ,参加者の問題意識は,明らかに患者に向かっていた.つまり‘患者をどう看護したらいいのか’であった.ところが4-5年たつと,むしろ‘われわれ仲間の人間関係,職場の人間関係をどうしたらいいか’というふうな問題意識が,強く表明されるようになってきた.
こうした変化,こうした傾向にたいして,私自身はまことに‘結構なことだ’と考えている.というのは,人間相手の領域では,まず‘自分自身のこと’が基本になる.これが大原則であるから,医療者・看護者が,自分たちの関係を問題にするのは,おおいに本筋にかなっている.もちろん,それは,最終的には個人としての在り方を取りあげることになるが,現実的には,まず医療チームとして,あるいは看護チームとして,そのチームワークのことを本気で検討する必要に迫られるわけであり,順序として,それは正しいと思うのである.
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