特集 不安と苦しみ
どうして私だけが死ななければならないのか—死を目前にした看護学生の手記
山崎 ヒロ子
1
1秋田大学医学部付属看護学校
pp.940-944
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917091
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生と死の直線上からの訴え
ひとりの看護学生が,卒業3か月余りを目前に,昭和48年11月20日23時40分,家族・クラスメートにみとられながら短い生涯を終わった.4月13日突然彼女の運命は決まった.急性骨髄性白血病の診断は‘命の限り’の宣告であった.病室から通学することになった彼女は,人一倍熱心で,へこたれなかった.暑い暑い日が何日も続き,健康人さえものびそうになっているのに,夏休みに入ったらベッドの上で卒論を書き始めた.原稿を書き終えたころから発熱するようになり,この発熱のためにその後はとうとう2度とペンを持つことができなかった.
ここに故・山崎ヒロ子嬢の冥福を祈りながら‘生の記録’終焉の記を紹介する.患者の‘こころ’を理解する一助になれば幸いである.
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