ベッドサイドの看護
老年の末期癌患者の心理的推移と看護
後藤 定子
1
1国立仙台病院外科病棟
pp.834-839
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916693
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当外科病棟においては,癌であることを本人には知らせてはいない.回復に向かう患者に対する看護は,その効果も目に見え,患者とともに喜びを感じるものであるが,予後不良の患者に接するときは,苦しみというより,一刻も早く患者からのがれたい,解放されたいと思う.少しでも苦痛を和らげ,不安を除くためにはどうすればよいかと考えながら,ただ,患者の苦しみを見守るだけの毎日となりやすい.
ここでは,胃癌手術後,死に至るまでの経過の中で,患者の心理的推移と看護について報告してみたい.
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