ベッドサイドの看護
入院生活に不安をもつ結核患者への援助
半田 幸子
1
1社会保険広島市民病院結核病棟
pp.840-844
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916694
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
結核と診断され入院を余儀なくされた患者の心理状態は,不安と絶望が入りまじって複雑であると想像されます.しかしながら入院の段階では,ほとんどの患者は不安を持ちながらも,長期入院をそれなりに覚悟してはいってきます.ともすれば,私たちは患者が自覚症状もなく元気で入院してくることから,その心理状態まで十分にくみ取ることもなく,オリエンテーションを施行し,病院の規則から毎目の日課に至るまで,自然と導いていっているのが現状です.しかし入院の段階では,個々の患者の結核に対する認識もまちまちであり,背景もさまざまである.私たちは入院を拒否する患者に出会い,その患者の指導を通じて,あらためて自覚症状のない患者に対して,もっと深くアプローチする必要を感じさせられたので紹介します.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.