連載 看護のための集団力学入門・15
危機的状況と指導者のあり方—リーダーシップ(3)
岡堂 哲雄
1
1聖路加看護大学
pp.780-786
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916683
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集中化と交替の仮説
どんな集団でも危機的な状況に直面することがある.たとえば家族集団では夫の交通事故による収入の減少とか,インフレーションによる相対的貧困化などの外圧によって,危機が生ずる.国家が経済的に他国へ進出していけば,経済侵略として非難されることになる.また国内の土地政策の失敗による地価の異常な上昇は,人びに不安と危機感を与えてしまう.他国からの経済的・軍事的な圧力や攻撃があれば,すべての国民は危機感をもたざるをえないだろう.
このように,その集団のすべての人びとが共通の脅威に直面し,経験する緊急事態を,危機的状況とよぶことにしよう.
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