連載 看護のための集団力学入門・14
指導者の基本的機能—リーダーシップ(2)
岡堂 哲雄
1
1聖路加看護大学
pp.640-645
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916654
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指導者の個人的特徴
すぐれた指導者を待望する声は,集団の発達が停滞したり,あともどりしそうになるとき,いっそう強くなる.歴史上の英雄や偉人の業績に対する関心が高まり,ときには再評価され,現代的な模範として示されたりする.たとえば,わが国では太閤願望や家康的支配についての関心がしばしば回帰するのは,その好例である.
従来,個人心理学的立場からいわゆる卓越した指導者に特有な身体,知能,性格上の特徴を調べ上げ,指導者類型論を確立しようとする努力がなされている.しかし,そのような努力は現在まで成功しているとはいえない.ストッグディル(R. M. Stogdill, 1904-)は,“リーダーシップに関連する個人的要因(1948)”という論文において,すでに発表されている指導者個人についての諸研究を総括して,次のような特徴を指摘している.
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