特集 激変期に求められる看護管理者のリーダーシップ考
実践につながるリーダーシップを求めて―状況対応リーダーシップ®と看護管理
村島 さい子
1
1福岡県立大学看護学部開設準備室
pp.357-360
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901629
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当大学看護学部の実習依頼のため,筆者らが田川市立病院看護部と打ち合わせをするなかで,双方から,「一緒に勉強会をしたい」という要望が出るようになった。教員側は,看護の現場から離れ,リアリティが乏しくなることへのおそれや,経験豊かな看護師の感性や実践に触れるという期待が,また,臨床側からは,自分たちとは違った視点から実践を対象化・客観視する機会にすることと,新しい取り組みへの協働という期待があった。そうして,臨床側から出された,看護の質を上げていくための「効果的なリーダーシップ」をテーマに勉強会がスタートすることになった。
リーダーシップを身につけるために必要な経験は,ほとんどが業務上の出来事にあると言われている。それは,それぞれの経験を意味づけすることによって,そこから個性的な学びを得て,それを能力に変換していく力をつけることができるというものである1)。これは,「経験から学ぶ力を育成する」ことを大切にする当学部の経験型の実習教育とも共通していて,実習指導の勉強会にも通じるものであった。
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