ベッドサイドの看護
ある下腿切断患者の特異な不安への援助
佐久間 敏子
1
1市立川崎病院整形外科病棟
pp.44-49
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916543
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
四肢の一部を失うということは,身体的には,これまでなじんできた社会適応のしかたを変えさせるのみならず,心理的には,患者自身の身体に対するイメージを,ひいては四肢の部分欠損による社会的劣等感で,自分自身の人生観を変化させる結果を招くことになるので,大きな不安を投げかける.患者にそれ以外の特異な心理的不安があるときには,なおさらのことである.
ここに紹介するのは,右足骨肉腫で下腿切断を余儀なくされた患者が術前・術後にかけて不安を訴え続けていたが,あるきっかけから,自分の最大の心理的不安を軽減させたことによって,その他の不安も減少し,治療にも訓練にも積極的に参加するようになった結果,無事退院した例である.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.