病態栄養学概説・3
治療食の条件
榊田 博
1
1日本バプテスト病院
pp.406-409
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916278
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治療食の意義
一定の目的をもってつくられる食物の群を食じ(餌)(Diet)という.食じの餌という字が当用漢字にないので食事と書くが,食事(Meal)とは食べることで,治療の目的をもって供給される特別の意味をもった食物についての明確な概念を表現する言葉ではない.治療の言的で供する食事を治療食または規定食とよんで,単に食べることの食事と区別することもある.
医療における食事(規定食)の目的は,栄養素の不足ないし欠乏によって惹起される特定の栄養障害または疾病状態における栄養の歪み,代謝障害の異常の程度に応じて不足する栄養素を補給したり,代謝異常に適応した治療食を与え,これを是正し治癒の方向にもってゆくことにある.
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