Nursing Study
小児病棟における学習指導について
大木 澄江
1
1国立霞ケ浦病院小児科病棟
pp.50-54
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916149
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はじめに
病院という特殊な環境におかれた小児にとって,病気に対する不安もさることながら,家族と離れ学校から離れた生活をする不安は,また察するにあまりあるほどのものでしょう。私たち小児科病棟の看護婦は,病気に対する看護者であると同時に,母親であり教育者でなければなりません。特に長期にわたる入院患児においては,その間の病院生活が子どもに与える影響を考慮し,退院する子どもたちが明るく早くもとの生活にもどれるようにしなければなりません。
表1をご覧になりますと,長期入院患児の多いことがおわかりいただけると思います。これらの患児家族にとって,学校教育からの中断は精神的にも動揺をきたし,安心して入院生活をすることがむずかしく,退院後家庭教師をつけて入院中の遅れをとりもどすという話もきかれました。そこで私たちは学校教育の中断による学習の遅れに目をむけ,以前より続けていた学習指導の再検討をしてみました。ここにその経過を報告します。
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