小児看護教育における一つのこころみ
成長発達過程の学習指導
浅田 美智子
pp.2-15
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904398
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小児看護教育の一つの大きな目的は,学生に人間の成長発達過程(特に小児期)を理解させることにあると思う。そしてそれをカリキュラムのなかでどのように教えるかは最も重要な点であろう。W. H. O. の小児科学教育についての研究協議報告(Technical Report Series No. 119)にも「小児科学は単に身体的器管,特殊な技術,特殊な疾病に限られた専門ではなく,人生の特殊な期間に適用される一般医学であり,個人の生涯において小児期は出生から思春期にいたる発育という特殊性をもった生物学的な期間である」ということをいかに学生に理解させるかについて種々討議されており,またドクター・ブラウン*はその著書「Curriculum Development」のなかで小児の成長発達—出生から思春期に至る間の身体的精神的,情緒的,社会的発育発達を学生に理解させるために,教授法のプログラムのなかにできるだけ健康小児に関する学習をふくめることが望ましいし,新生児室や乳児院,保育園,幼稚園,学校などの社会施設を利用して病児の看護にはいる前に健康な小児についての理解を深め,その養護の実習を計画するようすすめている。
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