特別レポート
2年3か月後のよみがえり—1人の脳器質疾患患者の機能回復看護から
神宮司 英子
1
,
藤明 朱美
1
,
岡田 靖雄
1
1東大病院精神神経科
pp.79-87
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916126
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1.はじめに
近年,リハビリテーションが臨床各科で強調されており,精神科においても治療・看護の中心はリハビリテーションであるといわれている。だが精神科においてリハビリテーションは,分裂病患者に焦点をあわせて考えられており,脳卒中後遺症,CO中毒後遺症などリハビリテーションの対象となるべき脳器質疾患の患者はきわめて多いにもかかわらず,この面の研究がすすんでいるとはいいがたい。
最近私たちは,ある脳低酸素症後遺症の患者の看護経験から脳器質疾患患者の機能回復の本態およびそのための看護のあり方について多くの教訓を与えられたので,その経験を報告したい。
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