ルポルタージュ・健康探検
もうひとつの“GNP”—汚された水のもたらすもの
平沢 正夫
pp.33-37
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914970
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利根川の“くさい水”始末記
半年まえの事件だが,東京都民なら,忘れられない人が多いはずだ。ことしの1月2日,水道の蛇口から玉ネギ臭のくさい水が出て,70年代の年頭の初夢がぶちこわされた。東京の上水道は230万世帯に給水されているが,そのうち約100万世帯,300万人以上が被害をこうむった大事件である。
なにしろ,臭気度500から1000というものすごい悪臭だった。臭気度とは,鼻のよくきく人が,何倍までうすめて,その臭気をかぐことができるかで決まる。この場合は,500ないし1000倍にうすめても鼻にくるほどの臭気であった。
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