特集 がん薬物療法の看護 ~“意思決定につなぐ力”で実践!~
膵がんの薬物療法における意思決定を支える看護 ~stage Ⅳ 切除不能な進行再発膵がん GnP療法(GEM+nab-PTX)を例に~
淺野 耕太
1
Kota ASANO
1
1京都第二赤十字病院外来化学療法センター/がん看護専門看護師
pp.11-15
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_11
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疾患,治療,レジメンに関する基本知識
膵がんは,進行が早く予後のわるいがんであり,早期発見がむずかしいことで知られている1).診断時には約80%以上が切除不能の状態でみつかる難治性のがんである.切除不能な進行再発膵がんにおけるがん薬物療法は主要な治療法であり,レジメンの選択によって全生存期間(overall survival:OS)や無増悪生存期間(progression free survival:PFS)が異なる.とくにstage Ⅳは予後が不良で,生存期間中央値(median survival time:MST)が12.7ヵ月と報告されている2).治癒が期待できるのは外科的切除のみであり,手術適応外の進行がんや再発膵がんに対しては,延命と症状緩和を目的とした薬物療法が行われる.
膵がんは進行が早く予後がわるい傾向にあることに加え,現在の治療レジメンの有効性が限られている.膵がんに対する化学療法は,重篤な副作用,奏効率の低さ,薬剤耐性の出現など多くの課題を抱えており,看護師が患者の意思決定を支援する際にもさまざまな困難が伴う.そのため,意思決定支援における看護師には,限られた時間のなかで患者の価値観や思いをていねいにくみ取り,治療の継続や療養生活の質の向上へとつなげていく視点と工夫が求められる.

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