連載 グローバリゼーションと健康・11
グローバリゼーションと薬―薬におけるもうひとつの「開発」
白岩 健
1
,
川島 今日子
2
,
津谷 喜一郎
1
1東京大学大学院薬学系研究科
2東京大学薬学部
pp.908-913
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100189
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日本で医薬品分野のグローバリゼーションと言うと,新薬の世界同時開発を思い起こすことが多いだろう.いまや製薬企業は世界レベルで統合され,医薬品に国境はなくなりつつある.海外データのブリッジングによる医薬品承認も増加してきた.
このような同時開発を可能にした一因は,1990年からスタートした日米EU医薬品規制調和会議(the international conference on harmonisation of technical requirements for registration of pharmaceuticals for human use: ICH)である.ICHは,日米欧三極における新薬開発の規制要件を整合化することでデータの相互受け入を容易にするとともに,審査を迅速化することを目的としており,「医薬品の臨床試験実施に関する基準」(good clinical practice: GCP)」の標準化など,様々なガイドラインが作成されてきた.このような医薬品規制の整合化は,医薬品という「もの」(化合物)の開発におけるグローバリゼーションを促進してきた.
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