医学と看護
脳卒中
小倉 一
1
,
永田 利雄
2
1神戸大学医学部辻内科
2兵庫県リハビリテーションセンター中央病院内科
pp.45-50
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914673
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はじめに
脳卒中とは急激な脳実質の循環障害によっておこる,意識障害と運動麻痛を主体とする症候群である。したがってその原因疾患となる脳出血,脳塞栓,脳血栓,髄膜出血,高血圧性脳症,脳軟化などを総括して卒中とよんでいるが(広義〉,普通単に脳出血を意味した場合を狭義の卒中としてもよい1)。しかし最近,卒中は急死を意味し不正確な概念であるとし,総称として中枢神経系血管障害が用いられている。
中枢性血管障害すなわち脳卒中による死亡率は,わが国においては昭和30年以降国民死亡の第1位を占め,3分に1人の割で死亡しており,また文明国中でもっとも高率を示し,欧米諸国の2倍以上の高率である。次に脳卒中の欧米との比較,要因の分析,治療,リハビリテーション,予後について概略を述べる。
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