特集 慢性疾患の新しい理解
脳卒中
横山 巌
1,2
1神奈川県老人福祉事業団七沢病院
2東京大学医学部
pp.15-18
発行日 1968年11月10日
Published Date 1968/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204308
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となりのおじさんは発作後2・3日で歩きだしたのに,うちのお父さんは脳卒中の発作から1か月たつのにまだ歩けない。となりのおじさんのかかったお医者様は何か特別効く薬でも使い,うちのかかっているお医者様の腕はわるいのではないだろうか,というような素朴な質問をうけたことはありませんか。患者や家族は絶えず目を,周囲に向けて,同じような病気にかかった人が,それでよくなったということならば,わらでもせんじて飲もうという気持をもっています。しかし冒頭の質問が誤りであることはいうまでもありません。脳卒中の経過にそれほど劇的な影響をあたえる薬や注射はまだ開発されてはおらず,このような病気の経過の差は,脳卒中という名のもとに種々の疾患が統括されていることにもとづいています。
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