Japanese
English
特集 再生医療―臨床応用へ向けての現状と課題
脳卒中
Cell based therapy for stroke patients.
田口 明彦
1
Akihiko Taguchi
1
1国立循環器病研究センター再生医療部(脳血管内科)
1Department of Regenerative Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center
キーワード:
再生医療
,
血管再生
,
神経再生
Keyword:
再生医療
,
血管再生
,
神経再生
pp.13-17
発行日 2011年1月10日
Published Date 2011/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101930
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はじめに
わが国は高齢化社会を迎えており,それに伴う身体障害者の急激な増加は深刻な社会問題となっている.平成20年度の厚生労働白書によると,ほぼ全介助が必要な要介護3以上の患者数は全国に169万人おり,そのうちの約1/3に相当する55万人は脳血管障害が原因疾患とされている.しかし,脳梗塞に対する確立された治療法は,現状では発症3時間以内における血栓溶解療法のみであり,治療可能期間(therapeutic time window)の長い新規治療法の開発が切望されている.
このような状況に対処するため,国立循環器病研究センターでは,①骨髄血管系幹細胞による脳梗塞治療の臨床試験,②骨髄血管系幹細胞による脳梗塞予防法の開発,を行っており,本稿ではそれらの現状および今後の展望について概説する.
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