Japanese
English
特集 神経因性膀胱の話題
各疾患における神経因性膀胱
脳卒中
Neurogenic bladder in stroke patients.
平野 照之
1
Teruyuki Hirano
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部神経内科学分野
1Department of Neurology, Graduate School of Medical Sciences, Kumamoto University
キーワード:
脳卒中
,
排出障害
,
蓄尿障害
,
橋
,
前頭葉
Keyword:
脳卒中
,
排出障害
,
蓄尿障害
,
橋
,
前頭葉
pp.1011-1015
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101630
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はじめに
神経因性膀胱とは,脳,脊髄,末梢神経より構築される神経回路の障害により引き起こされる下部尿路機能障害の総称である.下部尿路機能障害には,膀胱に尿を貯める蓄尿機能の障害(蓄尿障害)と,貯めた尿を体外に排出する機能の障害(排出障害)があり,さらにそれらの複合した病態も存在する.
脳卒中患者にとって,神経因性膀胱は重要な合併症である.急性期症例の30~70%に排尿障害が合併し1),回復期ではリハビリテーションの阻害因子となり日常生活動作(ADL)を低下させる要因として大きな問題となる.尿失禁は脳卒中患者の自宅退院を困難とするだけでなく,その後の生命予後にも大きく影響する2).
本稿では,脳卒中患者にみられる神経因性膀胱の病態メカニズムと排尿パターン,薬物療法をはじめとする治療方針について概説する.
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