ニューヨーク留学記・12(最終回)
数多い1年間の収穫
稲岡 文昭
1
1元神奈川県立芹香院
pp.90-91
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914412
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8月31日,教授宅で恒例の国際バーベキューパーティーと銘うってのお別れパーティーがあり,その席上,卒業証書と成績書が渡されました。実力でなく努力が認められたのでしょうか,私の総合評価は“A”でした。同級生,後輩たちから拍手をあび,ニューヨーク大学看護学科のディレクターから,このコースでAを取るのは非常にむずかしいのによくがんばったとほめてもらった時,1年間の苦労もふっとんで,喜びをかくしきれなかったほどです。
この1年間で得たものは数えきれませんが,看護学生が精神科実習をして,はじめて精神科患者の実態を知るように,悪性新生物疾患に対する概念(特に癌=死)を根元からひっくりかえさせられました。それと看護学院で基礎教育がしっかりなされていると,5年間の一般科看護に空白があっても努力でカバーでき,日本の看護士がアメリカの癌病院のスタッフとしても立派に役割を果たすことができるということを示したことでしょう。
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