漢方と看護学・5
対症看護(その2)
鎌江 真五
1
1鉄砲洲診療所
pp.48-49
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914371
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発汗異常
発汗状態は全身症状の一つとして,病態の重要な指標です。漢方では次のように観察します。①自汗(自然発汗,発汗過多症)②無汗(非生理的無汗)③戦汗(悪寒を伴う発汗)④盗汗(ねあせ),以上のほか,局所的なものとして,⑤頭汗(頭部発汗)⑥手足汗(手掌,足部発汗)などがあります。
①は風邪などによくみられ,皮膚機能の衰えを意味するものと解します。発汗下熱剤の投与には慎重を要し,過労を防ぎます。肩背部の皮膚をよくマッサージし,排尿状態を観察しましょう。特に汗っかきの人には,尿となるべき体液が汗となる体の仕組みを改善する方法がとられます。漢方利尿剤(防巳黄著湯など)が使われ,四肢末端部,関節部の指圧を試みるとよいでしょう。
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