今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date
甲状腺中毒症
対症療法
内村 英正
1
,
久保田 憲
1
1東京大学医学部・第3内科
pp.438-439
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220850
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甲状腺機能亢進症患者に認められる種々の症状は,治療を開始し,その効果が出てくるとほとんど消失するものである.しかし,バセドウ病患者にみられる眼球突出や比較的大きな甲状腺腫などは患者がeuthy-roidとなり,その状態が続いても持続して存在することが多く,甲状腺機能亢進症患者における対症療法は病初期に患者の自覚的,他覚的症状が強い場合に通常の治療法による治療効果が出てくるまでの比較的短期間における処置といえる.
表1にバセドウ病患者に認められる自覚的,他覚的症状の頻度を示したが,甲状腺機能亢進状態(甲状腺中毒症)でみられるものとほぼ一致する.他覚的所見では甲状腺の血管音や眼球突出などはバセドウ病に特有のものといえる.また,亜急性甲状腺炎では頸部の疼痛を訴えることが多い.
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