薬のはなし・11
薬の一般消費
佐久間 昭
1
1東京医科歯科大学
pp.50-51
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914372
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欲しがる性質
カナダ生まれの医師Sir William Osler(1849〜1919)は,米,英にも要職をもち,すぐれた臨床家として,また医学史家としても知られ,とくに,ボルチモアのJohns Hopkins大学の設立にあたり尽力し,その後の隆盛にみちびいた功績は高く評価されている。
彼は,“人間は生まれつき,薬を強く欲しがる性質をもつ”と述べている。この生まれつきの欲望(inborn craving for medicine)こそ,人間とイヌ,ネコとを区別する性質であるかもしれない。実にうまいことを言ってのけたものである。俗に,日本人は薬好きだというが,Oslerに言わせれば,薬好きは日本人に限らないことになる。
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