ニューヨーク留学記・7
アメリカのナースたち・Ⅱ
稲岡 文昭
1,2
1神奈川県立芹香院
2ニューヨーク大学看護学科
pp.94-95
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914167
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どうしてアメリカにおけるナースの社会的地位は日本に比べて高いのでしょうか。アメリカ独立以来,女性優先主義がとられ,男性と同等の権利が認められ,彼女たちも十分にそれにこたえてきたこと,オープン制から始められた病院では,ナースは病院第一の優秀な人材でなければならず,必然的にナースの教育を充実させ,ナースに誇りをもたせたこと,と同時にキリスト教がアメリカ人の精神生活のバックボーンになっていて,人に援助を与えるProfessionalな職業,神父・牧師・尼僧・教授・医師・ナースなどは深く尊敬される,こういったものがミックスされて,ナースの社会的地位を少しずつ高めていったものと思います。
Professionalな職業がどれくらい尊敬されているかという一例ですが,尼さんがバス,地下鉄に乗ってくると,どんなに満員であっても人びとは必ず席をゆずります(ニューヨークでは,男性があえて女性に席をゆずることはしません)。また患者の医師に対する尊敬は絶対的といっていいほどです。
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