特集 「ハイリスク」にも強くなる
アメリカのナースミッドワイフの分娩ケア
神崎 徹
1
1大阪大学医学部産婦人科
pp.1035-1037
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901839
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アメリカの助産婦(ナース・ミッドワイフ)の歴史は,1925年に始まる。アメリカの助産婦団体はACNM(American College of Nurse-Midwives)と呼ばれ,その厳格な認定基準は合衆国の文部省に相当する部門から承認されており,州試験に合格するとCNMs(=Certified Nurse-Midwives)と名乗ることができる。40近い大学が受験資格を得るためのプログラムを持っている。1960年には全米でわずか300人であったが,現在では約5,000人のCNMsが登録されている。
ACNMの基本理念を表1に示す。その基本理念は安全で満足できて,なるべく手を加えない分娩を目指すことにあり,言い換えれば助産婦の管理プロセスにはルーチンなものはないというのが基本理念である。CNMsの本来の特性は妊娠に対して感情移入でき,妊婦に連帯感を感じさせることができる点で,それは医師には到達困難なことである。これからの助産婦の目標はいつ,何故治療が必要とされるか,治療がいかにして結果を改善するか,いかにして治療を必要とする妊婦さんの心の準備状態を整えるかを知ることである。そしてその結果として妊婦に励ましと安心を与えることになる。
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