東西南北
観察
遠山 甲
,
黄 小蛾
,
萩原 光雄
,
木村 太郎
1
1小田急電鉄新宿駅
pp.13
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914139
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スポーツにおいて審判は不可欠のものであるが,特にボクシングのレフェリーほどむずかしいものはない。たとえば両選手を三角形の底辺とするなら,レフェリーはその頂点に位置し,両選手がいかなる方向へ移動しても,その頂点,すなわち中間にいて観察しなければならない。選手がまったく動かず打ち合いに終始するなら,さして困難ではないが,動きの速い選手や左ききの場合は廻り方が逆になったりするので,その両選手の攻防が最も見やすい中間に位置して観察することは,相当の運動神経というか反射神経が必要である。公正かつ中立をモットーに判断するのがレフェリーの任務であり,観察しよい場所を維持することが義務でもある。どちらが優勢か,反則行為の有無,選手の健康管理などを観察しながら試合を運行していかねばならないのである。他の分野においても,絶えず中間に位置し冷静沈着に物事を観察できる人間になりたいものだ。
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