今月の考察 優能婦人
華やかな話題ときびしい現実
川原 千寿子
1
1サンケイ新聞編集局教養部
pp.80-82
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914055
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世は再就職時代
おたがいある程度仕事に愛着をもっている人間として,やめたら最後,ほとんど職がない,そうじ婦のおばさんぐらいしか生きる道がない,というのは悲しいことだ。そうじ婦のおばさんがなぜ悪い?職業に貴賎はないはずだ,といわれればなるほどそうであるけれど,でも──と,心の中の声がささやくのである。
喜びや悲しみも幾歳月。今や皮膚と同じようにベッタリ自分に密着しているこの仕事をおいてほかになにができるというのだろう。収入だって段ちがいに低くなってしまうし……。
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