短期連載 現代アメリカ産婦人科事情・2
オープン・システムのきびしさ
堀口 照貞
1
Terusada Horiguchi
1
1コロンビア大学医学部臨床産婦人科
pp.141-143
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206946
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開業に必要な設備
アメリカでは,病院がオープンシステムなので,アメリカの医師は,日本の開業医と違って,入院設備,手術室,検査室等を持つ病院とか,医院を持つ必要がなく,自分が所属する病院の外の,任意の場所にオフィスを持って,大概の外来患者の診察,治療は自分のオフィスでするのが普通です。
個々の医師によって,多少は違いますが,オフィスに最少限必要なのは,①患者の問診をしたり,患者や,その家族とプライベートに話しが出来るコンサルテーションルーム(医師の書さい兼応接室のようなもの),②看護婦室兼受付,③患者の待合室,④二つか三つの個室になった診察兼治療室,簡単な検査室等の簡単なのです。勿論,医師によっては,別に処置室,手術室,特殊検査および技術室をもつものもありますが,その数は多くありません。子宮掻把以上の,婦人科手術,産科は,自分が所属する病院でするのが建前ですから,オフィスの設備としては,以上で充分です。しかし,最近は,どこの病院でも,入院費が高騰しているため,子宮掻把,腹腔鏡検査,ヒステロスコピー等の小外科は,昔の様に入院せずに,半日入院ですむ,病院のショートスティユニット(半日入院手術室)を利用する傾向が増えて来ており,政府や,保険会社も,医療経済的見地から,この傾向を助長しておりますので,自分のオフィスに,もっと充実した手術,検査施設,回復室等をそなえて,患者の便宜をはかる医師も少し出て来たようです。
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