今月の考察 優能婦人
前向きで働きやすい態勢を
熊谷 明
1
1飯田橋公共職業安定所
pp.77-79
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914054
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優能婦人センター設置の背景
「現在42歳の私,大学卒業後ドイツに留学,現地で現在の夫と結婚,ドイツ語の会話,タイピング,看護婦,通訳,翻訳を身につけ帰国しました。帰国後も語学力の落ちるのがつらく,牧師に師事して日夜研さんしています。なんとかしてこの技術を社会に役立ててみたいと思いながらも,最近の世間で,どのような仕事,どのような人間を求めているのか知りません。このまま家庭で老い込むことにたいへん不安を感じています。」
昨年7月,一婦人からきた手紙の概略である。東京都における主婦の再就職問題に対する施策は戦後,戦没未亡人の失業対策から発展し,昭和29年より現在行なわれているパートタイム・システムとして制度化され,主婦の再就職を促してきたのであるが,そのほとんどが保険の外交とか化粧品のセールス,そして包装,組立といった現場作業に限られていて,せっかく高度の技能・技術をもっていても,それを生かす場が少なかったのが実情であった。
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