脳のはなし・10
創造性
千葉 康則
1
1法政大学
pp.74-75
発行日 1968年1月1日
Published Date 1968/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913847
- 有料閲覧
- 文献概要
〔10〕創造性
私のこの「脳のはなし」は反射論,反映論の立場でまとめている。そうして,感情とか欲望とかいうものも,そういう立場で説明してきた。はじめに強調したように,このような考え方は,人間の行動が因果関係で結ばれているという考え方を裏づけるものである。そうして,それ故に「人間」を科学の対象となし得るという結論にもつながるから,看護は人間科学を土台とするべきだということになる。
ところが,こういう考え方には問題がないわけではない。ないどころか問題だらけだ,といえないこともない。つまり,人間科学というものが問題にされる場合にはこの前提のところでつまずくことが多いのである。その問題点はいろいろあるが,いわゆる創造性について考えなければならない。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.