ナースのための臨床薬理・10
利尿剤の副現象(その2)
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.76
発行日 1968年1月1日
Published Date 1968/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913848
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アセタゾールアマイド Acetazol amide—ダイアモックス Diamox
この利尿剤は,サルファ剤から誘導された有効な利尿剤の第一弾となったもので,やがて次に述べるベンツオサイアダイアジン誘導体(クロロサイアザイド系利尿剤)に連なる,いわば今日『の降圧利尿剤発展の導入門となったものである。以前から水銀利尿剤という強力な利尿剤はあったが,使いやすさの点,安全な点から,真に臨床価値の高い利尿剤として戦後はじめて現われたものであった。
この利尿剤は,炭酸脱水素酵素抑制作用剤Carbonic anhydrase inhibitorに属するもので,尿細管に作用して,その炭酸脱水素酵素の作用を抑制して水素イオンの産生を抑え,原尿中のナトリウム,カリウムイオンと水素イオンの交換,再吸収を阻害して,利尿効果を来すのをその作用のしくみとする。
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