統計
特殊出生率の国際比較
西 真楠
1
1厚生省統計調査部
pp.1
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913517
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昭和22年に34.3であったわが国の出生率(人口千対)は,10年後の昭和32年には17.2と半減し,以後17前後の率を示している。これを母の年齢別出生率でみると第1図Aの如く,20歳台の低下が最も鈍く,それより低年齢ないし高年齢ほど低下が激しくなっている。なかでも30歳台の出生率の低下が,全体の出生率の低下に強く響いている。なお,母の年齢別出生率の国際比較を最近年次ですると第1図Bの如く,外国では20〜24歳の出生率の高い国が多いのが目につく。また,出生順位(同じ母の出生した子の順位)別出生率の年次推移は第2図Aの如く,高出生順位のものほど率の低下が強い。さらに,最近年次の出生順位別構成比率で国際比較をすれば第2図Bの如く,外国では第1,2子の出生が全出生のほぼ6割を占める程度であるのに対し,わが国では8割にも達しており,わが国では2人のこどもを望む母がとくに多いことを物語っている。このように母の年齢や出生順位などでみた出生率を特殊出生率という。
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