特集 人口問題の焦点
年令訂正出生率並びに年令階級別出生率による諸国出生状況の比較観察
瀨木 三雄
1
,
栗原 登
2
1東北大学公衆衛生学
2東北大学公衆衛生学教室
pp.15-21
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201634
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1.訂正出生率による観察
出生率の地域的比較は,従来多く粗出生率によつて行われてきたが,国によつて人口の年令構成が異る故,1年間の出生数を全人口にて除して得られる粗出生率によつて,これを比較するのは,制限された意味しか持たないのは当然である。
出生状況を示す数字としては,粗出生率のほか,姙娠可能年令の女子人口にて出生数を除して得られる特殊出生率,又は女子人口又は既婚女子人口に付いての年令階級別出生率,或いはこれと多少意味合いは異るが,年令階級別女兒出生率を用いて算出する総再生産率,又はこれに更に死亡率をも合せて考慮に入れる純再生産率,或いは更に各年令の出生率を合計累積して得る年令累積出生率等,さまざまの数字が考えられる。これらの率にはそれぞれ,さまざまの意義があり,その意味には一長一短があつて,いずれが最もすぐれたものであるかは決め難い。
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