私の印象
病気の相談を電話応待するナース
金子 香代
1
1佼成病院
pp.64-65
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913358
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設備,規模,考え方において全部が同じとはいえないようだが,看護専門職としてのアメリカのナースは日本とは事情が違いはるかに恵まれていてのびのびとし,しかも自信と誇りをもって働いている。全般的に婦長・主任は実際の労働力に含まれていないのが普通だそうである。
看護部の確立がなされているが,これは,看護教育が日本とは根本的にその形が異なるということもいえるのではないだろうか。また看護業務の分析が非常によくなされ,ナースの不足を補なうために種々な形で看護要員が補充されていた。特に専門化されたテクニシャンが多く使われる傾向にあり,進歩しているといわれる病院ほどこれらの人は男女をとわず起用されているようだった。これらによってナースの繁雑多用も緩和され,業務分析もできるということだった。これら多くのテクニシャンを導入することによってナースの立場はゆるぎはしないか,などの心配は毛頭ない。テクニシャンの多くはRNがその技術を教えこむ場合が多いからだ。むしろナースでなければ絶対にできない患者さんの管理こそ重大であり,かつ誇りなのである。患者さんのよき相談者であり指導者であり,さらに高度の看護技術をあわせ持つことこそ,最も大切な役であるということであった。
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