連載 率直なる自己・その1
看護をころす“ベッドサイド・マナー”
長谷川 浩
1
,
早坂 泰次郎
2
1東京少年鑑別所・立教大学社会学部実存心理学
2立教大学社会学部・実存心理学
pp.101-104
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913330
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なぜ“科学性”が人間不在をもたらすのか
最近,職業のあらゆる分野で,人間関係の問題が重要視されている。「人事の適性配置」,「集団力学理論の職場管理への応用」,あるいは「心理治療や相談の必要性」など,職業や職場の相違によって,言葉をかえ,方法をかえて提案されているが,そこで共通にいえることは,職業目標の効果的な追求のみならず,真に人間的なあり方と職業との関連が問われているはずである。
しかるに,このような人間の重要さに目を向けて技術革新をはかろうとする動きのなかには,ともすると「科学性」や「合理性」のあやまった理解の結果,かえって人間不在の危険な結果をもたらす可能性があることも忘れてはならない。産業界でよくいわれる「オートメのもたらす人間疎外」はその典型的な例である。
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