特集 臨床で“生活をみる”ということ
ベッドサイドで生活をみる看護とは
大岡 良枝
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.828-831
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905421
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看護は生活をみてきたか
救急医療の場で,看護が生活をみる視点で十分に行なわれてきたかと問われ,まず頭に浮かぶのは,“病気は治ったが,寝たきりになった”,“病気は治ったが,ぼけてしまった”という笑えない話である.なぜ患者は,病気が治ったのに寝たきりになってしまったり,ぼけてしまうのだろうか.入院中に生活者としての機能が低下したり,停止してしまうのはなぜか.
救命第一の救急医療の場では,治療や処置が最優先され,患者のQOLは二次的にならざるを得ない場合が多い.しかし,患者のゴールは1日も早い社会復帰である.最終の目的として社会復帰を目指していながら,合併症や,ADLの拡大が進まず在院期間が延びてしまった事例を,私たちは数多く体験している.
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