今月の主題 膠原病—最近の考え方
膠原病へのアプローチ
ベッドサイドでのみかた
恒松 徳五郎
1
Tokugoro TSUNEMATSU
1
1島根医科大学・第3内科
pp.946-948
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217195
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膠原病(collagen disease)とはKlempererにより病理学的に体系づけられたもので,全身の結合織基質のフィブリノイド壊死を主病変とする系統的疾患である.コラゲンまたはコラゲン血管系が結合織と同意義的に用いられたため膠原(コラゲン)病と名付けられた.病変がコラゲン線維に限定されるものでないので近年は結合織疾患として把握される傾向である.膠原病をその病態生理的にみるとまだ解明されない点は多いが,種々の免疫血清学的異常,ことに自己抗体が見出されることが多いので,自己免疫性疾患であるとするのが一般的である.すなわち,自己抗原と血清または細胞性自己抗体による免疫反応に基づく炎症性疾患である.上記の観点を踏まえて,ベッドサイドでの膠原病の診断に際しては次のごとき大きい特徴をまず念頭に置いておくべきである.
1)膠原病は系統的すなわち多臓器障害症状を示す.
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