日本看護史の旅・10
大覚寺(京都)
石原 明
1
1横浜市大
pp.1
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912890
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京都駅前から直通バスで約40分,終点をおりるとすでにいにしえの嵯峨野(さがの)のおもかげがある。山門の手前にある子院のあたりが,そのかみの不壊化身院(ふえけしんいん)のあった場所らしい。この寺は真言宗大覚寺派の本山で,嵯峨天皇の離宮であったものを,淳和天皇の皇后(正子内親王)が貞観18年(876)に寺としたものである。のち病人の収容施設を2分して,一般用を済治院,ハンセン病専用を不壊化身院と号した。
大覚寺で信仰の対象として最も重んじているのは,代々の天皇の親筆になる「般若心経」で,そのもとは流行病の折に天皇が写経して,弘法大師が供養したところ,たちまち効があったといういわれがある。
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